第172回 令和2年(2020年)7月11日(土)掲載




カイツブリ



   

 6月末、さいたま市内、遊歩道横の沼で、カイツブリが背に幼鳥たちを乗せていた。写真では1羽が見えないが、幼鳥は3羽だ。

 県内で観察されるカイツブリ科の鳥は5種。その内アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリ、ミミカイツブリ、ハジロカイツブリの4種は秋に飛来して冬の間滞在、子育てをする春には北国に帰る。だから、県内で子育ての様子を見ることができるのは、このカイツブリだけである。

 全長約26 a。尾はほとんどない丸っこい体型。足が体の後ろの方にあって地上歩行はうまくないが、泳いだり潜ったりは大得意。水深2bほどまで潜り、小魚や昆虫などを捕える。  

本種は子育ての役割分担に雌雄の差がないので、子供たちを背負っていても「お母さん」とは言い切れないという説を、ネット上で読んだことがある。外見上雌雄の区別がつかないのは事実だ。

別の親鳥が餌をくわえて寄って来ると、子供たちは背中から降りて、我先にと奪い合う。別の親鳥はまた餌取りに出かけ、子供たちは元の背中によじ登る。縄張り争いの「ケレレレレ」という鋭い声が、水面に響き渡る。

今年もこのカイツブリたちは、いつもと変わらない姿を見せてくれた。かつてアラスカで出会ったアカエリカイツブリ、カナダで出会ったミミカイツブリなども、元気に子育てをしているのだろうなと、思いを馳せている。







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