第201回 令和5(2023)年5月16日(月)掲載





コホオアカ




 

 

 コホオアカ(小頬赤)という名の、全長約13p、小さなホオジロ科の鳥がいる。ヨーロッパ北部からモンゴル、シベリアに分布し、日本では渡りの途中に短期間立ち寄る旅鳥、または数少ない冬鳥とされている。

 当会の会報から抜粋して私の手元にある資料によれば、1993年12月に戸田市で私が撮影したのが当会最初の県内確認記録で、2002年2月深谷市と201010月さいたま市での撮影記録、2011年1〜2月さいたま市での越冬観察記録などが残っている。

 そのコホオアカがいるということで、この春、ある川岸に、多い時で数十台のカメラが並んだ。私は日本海の島々でも撮影していたので、この時は遠慮して近寄らなかったが、少し前の本年1月7日、そこから数百mしか離れていない林の中で、コホオアカ若鳥1羽を撮影したのを、思い出していた。

 いくつかの特徴から本種と判断したが、まだ色もあまり出ていないような若い個体で、図鑑にそれに近い段階の写真が見当たらない。念のため、日本野鳥の会本部事務局を最近定年退職した大ベテランや、当会の鳥友らに写真を送った所、コホオアカ若鳥でしょうとする返信が複数届いた。

 今春、川岸の方で撮影された鳥は色が十分に赤く、容易にコホオアカと判断できるものだったと聞いた。それとこの林の中の若鳥に関係があるかどうかを判断する手段はない
が、身近な所で、数少ない鳥に出会えることは、いつでも楽しいものだ。


 







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